B.LEAGUEの将来構想に関する発表を受けた 「B.LEAGUE PREMIER」参入への取り組み状況の説明会見コメント | 広島ドラゴンフライズ

 

ごあいさつ

代表取締役社長 浦伸嘉


先日、Bリーグの島田(慎二)チェアマンがBリーグの将来構想「B.革新」を発表されました。
発表を受け、広島ドラゴンフライズとしても、広島県民の方々に、Bリーグが大きく変わるということをお伝えしたいということ、また、それに向け広島ドラゴンフライズが「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」という新たなトップカテゴリーに参入したいという強い意志を改めて表明いたします。
それに伴いまして、進捗状況のご報告、そして短期的だけでなく中長期的なクラブの方向性をお話できればと思っております。

 

代表取締役社長 浦伸嘉よりご説明① 「新B1」の新名称について


B.LEAGUEの将来構想に関する発表を受けた 「B.LEAGUE PREMIER」参入への取り組み状況の説明会見コメント | 広島ドラゴンフライズ

Bリーグはこれまでの「将来構想」という言葉から「B.革新」として統一していきます。また、先般の会見では「NBAに次ぐ世界2位のリーグへ」とありましたが「B.革新」にもありますように、「世界一型破りなライブスポーツエンタメ」を目指していくことだと思っています。
競技面でNBAを超えることはなかなか難しいですが、エンターテインメント性、ライブ性といったその他の観点から新しくリーグを生まれ変わらせ、世界一のリーグを作っていくという発表だったと思っています。

島田チェアマンとは日頃からコミュニケーションをとっていますが、今回の発表を聞いていますと、クラブがしっかり健全経営をしていくという設計に舵をきっていくのだと強く感じています。チェアマン自身がもともと経営者として千葉ジェッツという1クラブを復活させていることもありますし、非常に経営力に長けている方だと思っていますので、チェアマンがよりクラブが経営しやすい状況にしていくという思いをこめた設計なのではと感じています。

世界には様々なスポーツリーグ、スポーツクラブがありますが、順風満帆に経営しているところは、本当にごくわずかだと認識しています。それをBリーグは、全クラブが確実に堅実に右肩上がりで成長できるような新しい形のスポーツリーグにチャレンジしたいのだと感じております。
そのために今回制度設計の発表がありましたが、新しいこのチャレンジをみなさまに覚えていただくための発表だったのだと思います。

島田チェアマンの発表から改めてにはなりますが、
今までの「新B1」が「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」に。
「新B2」が「B.LEAGUE ONE(Bワン)」
「新B3」が「B.LEAGUE NEXT(Bネクスト)」として名前が変わります。

今のB1のレベルをBワンで必ず維持し、さらにハイグレードなカテゴリーとなるのがBプレミアという考え方だと思っています。
「本気で世界の頂点へ」ということで、我々広島ドラゴンフライズも私個人としても、やるなら世界トップまで目指したいと常に思っておりますので、これから新しく良いリーグになっていくのではないかとワクワクしかないです。

改めてですが、広島ドラゴンフライズは「Bプレミア」を目指していきます。
 

制度設計について

B.革新の制度設計について、いくつか新たな発表がございました。
1つ目はサラリーキャップ(年俸総額の上限)です。先程も申し上げた通り、島田チェアマンとしては安定、健全な経営を考えていただいているがゆえに、サラリーキャップをはめて、選手への事業投資の枠を決め、過剰な投資をさせにくいリーグにしていこうと考えているということだと思います。
戦力均衡のためにサラリーキャップ制度を導入していく、またこれは、小さい枠でサラリーキャップをかぶせようというわけではなくて、大きい形でやっていくと聞いていますので、必ずしも今の規模が縮小するということではなく、この基準を超えないとライセンスが取れないということなので、前向きに考えています。後ほどお話しますが、売り上げが12億円だとこのサラリーキャップ総額は全然足りません。(今回の基準の)12億だけ超えていたら、それでBプレミアに行けるものではないと思います。つまりは、サラリーキャップができるからといって、売上を上げなくてもいいとか、そういうことではなく、高い基準にさらに引き上げようというチャレンジだと考えています。
我々にとってはこの制度が決まれば、それの枠組みの中で広島ドラゴンフライズの価値を上げるしかないと思っています。

2つ目は外国籍選手についてです。Bプレミアでは外国籍選手の登録を3~4人と考えているということです。現状ですと外国籍選手は3人で、アジア枠もしくは帰化日本人枠で4人となりますが、Bプレミアではその合計が5人になる可能性があるということになります。
ここでもう1つ大きなポイントとしては「オンザコートフリー」です。オンザコートフリーというのは、現状は外国籍選手のオンザコート2人+アジア枠なので、日本国籍の選手が必ず2人はコートに立っている状況です。これがBプレミアでは外国籍選手4人と、アジア枠もしくは帰化選手1人の登録となりますと、1人も日本人がコートに立てない時間帯もあるという設計を検討している、という状況になります。これは本当に大きなことでして、選手側からの目線ですと賛否両論あるかと思いますし、様々なハレーションも想定されますが、我々クラブとしては、リーグが決めたことに従っていく、それだけなので、先程も申し上げましたが、制度が決まれば、この枠組みでどう戦っていくかを考えていく必要があると思っています。

3つ目が、選手流動性ということです。柔軟なレンタル制度を考えているということでしたが、例えばBプレミアで外国籍選手4人にする場合、おそらくロスターの枠も広げるのではないかと言われています。ロスターの枠を14人に広げると、やはり試合に出場できない日本人が、2,3人でてくるのではないかと思います。レベルが高いのに、Bプレミアでは出場できない日本人選手に対して、1つ下のカテゴリーのBワンでは日本人がたくさん出場できる機会が創出されるということは、Bワンの場合は今と同じ、もしくは外国籍選手が出場する場面が少なくなる設計になっていると思います。なので、日本人がより活躍できるように、流動性を持たせることで、バランスをとっているのだと思っています。

4つ目は個人的に一番大きいと感じております、ドラフト制度の導入です。
おそらくプロ野球のようなかたちで、2025年の春か夏に、第1回のドラフト会議があり、2026年からその選手が入ってくることになりますので、まだ細かい設計は出てはいませんが、戦力均衡と健全経営、魅力のあるクラブ、事業投資になるようなクラブの運営をするための制度、と私は捉えております。
5つ目のカーディングについてですが、先般お話しておりますように、平日を増やしていくことが想定されています。例えば「月・水・土」、「火・木・日」で試合をするようなカーディングになりますし、そればかりではなくて、全体で5節、ホームで2節か3節は「水・土・日」の試合もいくつか開催されると聞いております。バランスを考えつつ、急にほぼ平日にするのではなく、土日の連戦の試合も若干残しながらも、1日あけて試合をするという流れになっております。ファイナルも、ホーム&アウェイ制度を入れていくとのことで、現状にプラスしていくことだと思います。
カーディングについてまとめると、土日平日問わずに1節1試合となっています。ただこれにプラス土日の試合も5節ほど入れていくと聞いております。

エクスパンション型リーグにつきまして、以前から発表があったと思いますが、改めてご説明します。
2026年からエクスパンション型になっていきます。ある一定のライセンスを獲得するとBプレミアに参入することができる、つまり単年競技成績による昇降格がなくなり、安定的に黒字経営であれば、必ず残っていける状況となります。ですので、クラブ経営力向上、事業投資がしやすい環境にするために、このエクスパンション型になるのだと思っています。

島田チェアマンは会見で「(Bプレミアの)上限を閉じることはない」とおっしゃっていたので、安心した気持ちはありました。ただあくまで私個人的な予想ですが、エクスパンション型に移行して、ドラフト制度を導入して、多方面で変わっていくと、いつの日かは閉じていくのではないかと思っています。そういう状況になっていき、バランスがとれていかなければ、40チーム、54チームと、何チームでもBプレミアに入れる状況になっていきますし、少しバランスが悪いと思います。一旦、当初の何年かは必ず入れるチャンスがあると思うのですが、エクスパンション型がずっと続くというのは様々な設計を見ていますと、これからさらに大きく変わっていく予感がしています。そして改めて、このタイミングでBプレミアに入っておかなければ、なかなか難しい状況になると感じております。
 

代表取締役社長 浦伸嘉よりご説明② 新B1ライセンス獲得に向けての状況報告

現状としては、「平均入場者数4,000名を超えていること」、「売上が12億円以上であること」、「アリーナを保持していること」の3つの参入条件の中で、現状として3次審査の入場者数3,000名かつ売上12億円以上というところはクリアしております。ただ、原則18クラブでBプレミアの1年目を行うことになっておりますが、1年~1年半前は12から15クラブと予想されていたところ、現状では最大25クラブがBプレミア参入に挑戦する可能性があります。既に1次審査を通っているクラブは5クラブのみですが、2次審査に13~15クラブ通ると、3次審査まで審査が進まないことになります。そのため、Bプレミア参入を確実なものにするには2次審査の枠に入ることが非常に重要なポイントとなります。

売上については、昨シーズンが14億8,000万円(見込み)、今シーズンはハードルが高いのですが、17億円の目標達成を目指して頑張っていきます。今後は、サラリーキャップ(選手総年俸の上限)が導入されます。おそらくその上限が8億円や10億円程になるかと思いますが、12億円の売上で10億円を(選手年棒に)支払う形では経営が成り立ちません。他クラブでは、千葉ジェッツなどの売上の高いクラブだと25億円、琉球ゴールデンキングスも同等の売上までいっており、どんどんと上がっています。日本一のクラブを目指すためにも、私たちも「12億円を超えればいい」と思わないようにしたいです。達成には数多くの企業様、県民の皆様からのご支援が必要になりますが、島田チェアマンも経営力、事業規模と度々仰っているように、クラブとしてどれだけ地域に根差しているかということの数値化だと思います。4,000名にお越しいただくためにも、売上12億円を獲得するためにも、それだけ多くの方々に応援してもらわなければなりません。

パートナーの売上としては、今シーズンは200社のパートナー獲得数の増加と、2億円の増額を目標にしています。やはり、広島ドラゴンフライズを含めたBリーグのクラブにとって一番の柱はパートナー様の広告料収入になっているため、そこをしっかり広げていかないと安定経営に繋がらないと思いますので、パートナー収入をしっかりと伸ばしていきたいです。
Bリーグから見ると、企業の体質が親会社の補填で賄っているクラブだと、もし親会社が離れてしまったときに経営が厳しくなってしまうような印象を持たれると思います。私たちとしては「広島の多くの企業の方々にご協力いただき、支えてもらいながらも親会社の補填がある」という形をリーグにアピールできるようにしていきたいと思っております。
入場者数としては、少し余裕をもって1試合平均4,200名を必達とし、合計入場者数12万6,000名をクラブ目標にしており、ここは最も重要なポイントと思います。

現状としては目標達成のためにいくつかの課題があります。
1つ目は、着券率が90%であること、すなわちチケットの購入者が10%来場していないことで、ここをどのように克服していくかです。まず、シングルチケットについては着券率が95%で当日に体調不良など何らかの理由で来られなくなった方が5%です。リセール(再販売)の制度がありますがなかなか広がっていない現状ですので、この制度についてはどうにかして発信していきたいと考えています。シーズンチケットについては82%の着券率で毎試合100名程の未着券が発生しているため、ここを解消していきたいと考えています。
2つ目として、昨シーズンの平均入場者数が3,335名であるため、1試合900名の増加が必須です。つまり、新規顧客の獲得が必要ということになり、こちらもまた課題となります。

1つ目の課題の解決方法として、「広島サンプラザホールの観客席を増加」いたします。
昨シーズンは4,246席、立見席250席の総席数4,496席だったところを、今シーズンは固定席4,493席、立見席250席の最大4,743席で、247席分の増席となります。特にシーズンチケットホルダー様の未着券に関しましては、こまめにコミュニケーションをとり、行けなくなった場合は都度連絡をしてもらうようにご協力いただきたいと思います。その分の席をボランティアさんに入ってもらう機会を作るなど、着券に繋げていきたいと思います。
この数%の改善で4,000名にグッと近づいていくと考えます。増加した座席数で着券率が92~95%まで上がれば平均4,000名を超える見通しとなります。

2つ目の解決方法として、自由席より指定席の方が着券率が上がるため、「全席を指定席化」いたします。
これにより昨シーズンの自由席約1,900席分が指定席となります。これまで、自由席で当日引換などの企画を行っておりましたので、そこは事前申込制にするとか、当日でも空席を案内するなどしっかりと対応できるようにしていきたいと思います。自由席だと、複数名で来場された際に隣同士で座れなかったり、席詰めの問題が発生することがありますが、指定席化によって、こうしたトラブル軽減や顧客満足度アップにも繋がると思います。

3つ目の解決方法として「新規来場者の獲得」があります。
私たちの希望としては、新規のお客様、既存のお客様、アウェイチームを応援するお客様、すべてのお客様に満足してもらいたいという思いがあります。そのため、もちろんアウェイチームブースターの方にも最大のホスピタリティでおもてなしをし、アウェイの選手にもそのような姿勢で臨み、リスペクトをもって試合運営していきたいと思っています。
初めて来場されたお客様の心理的なストレスを軽減するためにも、声を出しても出さなくてもいい自由な応援をしていただきたいと思います。こちらから基本的な応援の提案はさせていただきますが、応援を強制することなく、いつ来ても、どなたが来ても楽しんでいただけるような準備をしていきたいです。リスペクトとホスピタリティは投資やコストをかけなくても、思いと努力でどうにかできることなので、ベストを尽くしたいと思います。
さらに、キャンペーン企画をさらにブラッシュアップして盛り上げていきたいです。昨シーズンはフィリピンデーや、広島東洋カープとのコラボレーション企画、市民デー、区民デーと様々な企画に取り組んできましたが、さらにこういった新規来場の促進となるようなキャンペーンを実施していきたいと思います。その拡大によりファンクラブの人数4,000名を目指すことで、自ずと平均入場者数4,000名に近づいていくのではないかと思い、クラブ一丸となって取り組んでおります。

続いてアリーナについてですが、現状の「B.革新」において全国で10クラブ程度で新アリーナ建設の目途が立っております。既に沖縄、佐賀、群馬が竣工しており、長崎、神戸、名古屋、船橋も完成が近いなど竣工ラッシュを迎え、アリーナビジネスの展開が見込まれます。
新アリーナの計画とその根拠資料を2024年の10月までに提出しなければなりませんが、報道でもありました通り広島ドラゴンフライズとしては、一旦広島グリーンアリーナをホーム使用させていただき、ライセンス獲得を目指します。イメージとしては2026年からホームアリーナをグリーンアリーナに移行し、2030年あたりから新アリーナに移っていきたいと思っております。
ホームアリーナ化についての進捗ですが、今年の3月13日に湯崎県知事に表敬訪問をさせていただき、グリーンアリーナのホームアリーナ化のお願いをさせていただきました。その後5月から6月にかけてグリーンアリーナを使用している競技団体様やプロモーターの方々にご協力をお願いして回らせていただき、現状をまとめて広島県に暫定利用をお願いし、5シーズンの使用を目安とし、それまでに新アリーナの計画を立てるということで暫定使用の許可をいただきました。

現在は新基準を満たす改修案を検討しております。「5,000席以上」、「トイレの数」、「ラウンジ」の条件については、グリーンアリーナはほぼクリアしている現状でございます。もう1点、VIPルーム(スイートボックス)設置に伴う改修が必要で、その改修案や業者を打ち合わせしている段階です。今後としてはその改修案をリーグのアリーナの担当者とすり合わせて、その改修でライセンスが取れるかを話した上で改修に進んでいく状況となります。この8,9,10月あたりで改修案を着地させ、2023年10月に Bプレミアへの参入の意思を伝える流れとなっております。

新アリーナ構想につきましては、少しずつですが前向きに進んでいるということは、ひとつ確実な情報としてお伝えできます。個人的には2~3年以内には新アリーナの方向性は出せるのではないかと思っております。その話を進めていくためにも、まずはライセンスの獲得が第一だと思います。まずは目の前の、グリーンアリーナで改修案を含めてBリーグのライセンスを取る活動を進めながら、併せて新アリーナの話も進めていきたいと思います。
県民の皆さんにも期待していただいていると思いますし、中長期的には広島らしいアリーナモデルは広島を必ず活性化できると思いますので、しっかりと対応していきたいと思います。
 

代表取締役社長 浦伸嘉よりご説明③  クラブ創設10シーズン目に向けて

ここからは、クラブ創設10周年ということで、中長期的な話をさせていただきたいと思います。
10周年を機に、記念ロゴを作ってみました。
ただ、10周年と(Bプレミアの)ライセンス獲得のタイミングが重なって、なかなか2つを同時に出すと(訴求が)薄まるので、今シーズンに限ってはライセンス獲得をメインとしておくのですが「10年経っていますよ」ということで制作しました。節目の年で大きなチャレンジができるのは素晴らしいことだと思いますし、良い年にしたいなと思います。




さて、Bプレミアへの挑戦へ向け、本日はキーワードである「HIROSHIMA PRIDE」につきまして詳細を改めてご説明させていただきます。HIROSHIMA PRIDEというのは、クラブの哲学であり根幹でもあり、チームとクラブの共通のワードとなります。
この「HIROSHIMA PRIDE」にたどり着くまでに本当に長い時間をかけました。3年前くらいから最終着地させて、昨シーズン、今シーズンで打ち出しています。HIROSHIMA PRIDEという名前には色々な理由があるのですが、最大の理由は、ほとんどのクラブというのはチーム名を付けてキーワードを掲げています。例えば宇都宮ブレックスは、「BREX NATION」という言葉を掲げております。そう考えると我々は「DRIAGONFLIES ●●」とやるべきかと思うのですが、なぜあえてHIROSHIMA PRIDEにしたかというと、やっぱり広島は特別な街だからです。世界で最も有名な都市のひとつでもありますし、スポーツ王国・広島でもあります。「ドラゴンフライズ」よりも、「広島」の方が世界中でも、日本中でも知られています。

例えば、プロ野球のメディア報道で、順位表を見ると地名で出ているのは「広島」だけだと思います。あとは、「阪神」「巨人」「オリックス」「日本ハム」といった企業名が出ていますが、カープさんだけが、市民球団ということもあって「広島」と出ています。要するに広島でスポーツクラブを経営・運営するということは、「広島」というワードを背負っていくということが大事だと思います。
そういう思いからHIROSHIMA PRIDEという言葉を選びました。簡単に言うと、広島を全員で背負っていくということです。そのくらい素晴らしい世界平和文化都市でもあるし、スポーツ大国であるこの広島を背負っていきたいという思いから、このHIROSHIMA PRIDEという名前を付けました。

私が個人的にも広島出身で、広島を本当に盛り上げたいという強い想いがあります。その使命感からこの仕事をさせていただいておりますが、このHIROSHIMA PRIDEという言葉を作って本当に良かったと思っておりまして、この言葉を胸に、チームもフロントも頑張っていきます。
もうひとつ込めている想いとしては、広島の歴史を振り返ってみたときに、広島東洋カープの松田元オーナーにもいただいたお言葉ですが「屈しない魂」があったのではないかと仰っていまして、それを我々も体現していきたいと思います。
そのため、チームにはコート上で絶対諦めない姿勢を要求しますし、我々フロント陣も、例えばこのライセンス獲得に向けても、絶対に諦めずに、屈することなく最後まで追求したいと思っています。
しかし、一方で、他者へのリスペクトや寛大な心がないと、広島はここまで復興していなかったと思います。いま、試合終了時に相手チームへのリスペクトを込めてスタンディングオベーションを行っていますが、そのようなマインドをもっと追求していきたいと思います。
広島に根ざし、より広島らしく広島の為に。ドラゴンフライズはすべてこういう観点から様々な活動をしています。
ユニタールさんとの協定も広島らしい活動ですし、広島東洋カープとの取り組みや今行っている「#おりづるリレー」も、すべて広島らしく、より広島のために、という想いで取り組んでいます。



そして、今シーズンのスローガンが「Keep Going」ということで、チームについて少しお話させていただきます。昨シーズンの選手が12人中10人残ってくれて、積みあがってくるものがあります。
カイル・ミリングヘッドコーチも外国人コーチとして3年目というのは、ドラゴンフライズとしては初めてなので、3年目の集大成ということで良い結果を残してくれるのではないかと思っております。
先日発表がありました試合日程については、平均入場者4,000名に向けて、グリーンアリーナで3試合の開催が決定しています。今は満席で7,000名程度入ると思いますので、そのグリーンアリーナをどう満席にするかで、さらに平均入場者数を上げることができると思いますので、しっかり準備していきたいと思います。

代表取締役社長 浦伸嘉よりご説明④  広島県民の皆さまへのお願いについて

最後に広島県民の皆さまにお願いがあります。
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広島県民の皆さまへ

改めて、広島ドラゴンフライズは、2026-27シーズンより生まれ変わる「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」参入意志を改めて表明させていただきます。 
 
しかし、現状としてBプレミア参入の壁は、決して低くありません。 
「1試合平均来場者数4,000名」、「年間売上高12億円」、「新基準を満たすアリーナ」、これらを2024年10月までにクリアできなければ、Bプレミア参入も叶わず、クラブが消滅してしまう可能性もあります。 

しかし、この壁も広島県民のご支援により、必ず乗り越えられると信じています。
Bプレミアのライセンスを獲得するために、スポーツ王国広島の県民の皆様、一人一人の力が絶対に必要です。 
皆様がアリーナへ足を運ぶその一歩が、新たなステージへ向かう広島ドラゴンフライズの力になります。

スポーツ王国広島のプライドを胸に、必ずBリーグプレミアへ。 

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クラブ創設10年目の大きな勝負所ということもあり、私自身、危機感を感じております。
Bプレミアのライセンスを獲得するのは至難の業で、ライセンスを取得できなかった場合、Bプレミアに参入できる可能性は非常に低いものになります。また、応援してくださっている広島県民の方々との交流を通して、皆さまのドラゴンフライズに対するトップリーグへの参入を願う思いも感じています。そのため、クラブの代表として、必ず参入していかなければならないという使命を持っています。そして、県民の方々からご支援とご理解があれば、必ず達成できると思っております。皆さまのご協力をいただき、全国の他クラブ、そしてBリーグに、広島の底力を見せつけていきましょう。 


⑤質疑応答

―グリーンアリーナの改修工期について教えてください。 
具体的な工期は決定していませんが、現在グリーンアリーナではLEDライトの工事を計画しております。その工事の時期に合わせて、我々も工事を行おうと考えています。LEDの工事と我々の工事を別々に進めてしまうと、工事の期間が延びてしまい、利用者の皆様に多大なご迷惑をかけてしまいます。そのため、利用者の皆様やグリーンアリーナの関係者の負担を考慮したプランを前提に、なるべく早く改修案を整えられるよう尽力しています。工事に3ヶ月か5ヶ月必要か分かりませんが、24年度中の工事開始を目指しています。改修が進んでいくと「25年度からVIPルームが整っているので、使えるのではないか」という議論が起こると思います。しかし我々としては、もし整っていたとしても、26年からの使用を考えています。理由は、2025-26シーズンのカーディングへの対応が難しいことです。2025-26シーズンはまだ土曜日と日曜日の開催がメインなので、土日のイベントを主にしているグリーンアリーナの利用者にとっては、負荷がかかると思います。集客も重要ですが、使用させていただく立場として、グリーンアリーナ側とのバランスをとりたいと考えています。 

―グリーンアリーナを改修していくにあたり、どのようなアリーナを作ることを目指していますか。
決して我々だけが得をするのではなく、他の利用者様もスポーツ観戦やイベントを楽しんでいただけるアリーナに改修していきたいと思っています。また、ボックス席等の様々な座席を利用して、多様なスポーツ観戦の楽しみ方を提供していきたいと思っています。(北海道の)エスコンフィールドやマツダスタジアムも様々な種類の座席を提供しており、最近は、普通に座って観戦をするだけでなく、立って飲みながら観戦ができたり、ボックス席から観戦ができたりと、いろいろな楽しみ方が増えていると思います。そのような改修ができれば、バスケットボールだけではなく、他の競技の観戦でも楽しみ方が増えていくと思うので、我々も含めて、皆様が楽しんでいただけるような改修を施したいと思っています。
 
―Bプレミアに参入した後の世界観はどのようなものになるのでしょうか。 
開始した直後は、現在のB1との間に大きな差は生まれないと思います。しかし、アリーナの基準を満たさないとBプレミアには参入ができないので、Bプレミアの中では、アリーナビジネスが広がっていくと考えています。今までは体育館を貸して、不動産賃料収入で回していくというのが、従来のビジネスモデルだと思います。しかし、新しいアリーナが増えることにより、新しい形のビジネスモデルが誕生すると考えています。
少し話がそれますが、先日、マイケル・ジョーダンがオーナーを務めていたシャーロット・ホーネッツを売却しました。彼がチームを買収した時の価格は400億円前後でしたが、売却時は4,800億円前後になり10倍の値段になりました。価値が上がった一つの理由としては、アリーナの経営権も含めて売却したことにあります。アメリカでは、アリーナビジネスが発展していて、日本にも少しずつですが、日本版のアリーナビジネスが入ってきています。バスケットボールからはそれますが、アリーナを中心に、新しい形のビジネスモデルが展開され、(外国人観光客の)インバウンドを含め、盛り上がってくると予想しています。 

バスケットボールに関しては、競技レベルが上がり、中国のCBAを抜いてアジアでトップのリーグになると思います。将来的にはNBAに次ぐリーグになると思いますし、環境が整い、良い選手も出てくると思います。今、NBAでは渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)と八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)が頑張ってくれていますが近い将来、NBA選手もBリーグから出てくると思いますし、野球の大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)のような、世界一の選手が出てくると期待しています。新リーグは、そのような選手を生み出すリーグのスタート地点になると思います。 
 
―平均入場者数4,000名の達成はどのくらいハードルが高いことなのでしょうか?
昨シーズンもフロントスタッフが必死に努力をして、平均入場者数3,335名でした。この数字から、さらに平均800名から900名入場者を増やそうとすると、かなりハードルが高いと思っております。普通に頑張るだけでは、非常に難しいと思っており、スポーツ王国である広島県民の方々のご理解とご支援が必要になると思います。広島県民の皆さまは約200万人いますが、ひとり1回観戦に来ていただいたら達成する計算になります。社内だけで進めても難しく、このような機会を設けて皆さまにお願いしないと絶対に4,000名は達成できないと思っています。

―クラブ史上最高の17億円の売上見込みについて
非常に嬉しいです。売上を高めて利益が出た分、選手の環境に投資をしたり、フロントスタッフに投資をしたりと事業を拡大していくのが、スポーツクラブのあるべき姿だと思っています。(売上見込みは)広島ドラゴンフライズの価値が高まり数字に表れていると思っています。
一方で、B.LEAGUEが誕生して、全国のほとんどのクラブが右肩上がりで売上を伸ばしています。B.LEAGUEも売上を伸ばしています。その波に乗れているのも、売上が上がった理由の一つとしてあると思います。クラブの力に加えて、時代の流れ、様々なことを加味してこの数字になっています。冷静に分析して、謙虚に仕事に取り組んでいきたいと思います。この数字にはフロントスタッフも自信を付けてもらって、より活動に励んでもらいたいと思います。トータルでは堅調に来ていると思っています。良いところは継続しながら、改善する部分は改善をして、さらに大きな発展を目指していきたいと思います。


―ドラフト制度が始まるとありますが、スカウト活動などは予定しているか。
今回のB.革新で発表された中で、1番難しいポイントだと思っています。
ドラフト制度自体は、B.LEAGUEが誕生した3年後の2019年から計画を初めています。このタイミングでドラフト制度を作る大きな理由として、川淵三郎さんと孫正義さんがタッグを組んで、突貫でB.LEAGUEを作ったので、設計をする時間がなかったと聞いています。
B.LEAGUEは現在Jリーグの仕組みを参考に設計されています。しかし、バスケットボールがJリーグの仕組みのまま発展できるかどうかを考えた時に、バスケットボールらしい設計の方が、運営しやすいということで、2019年からドラフト制度を考えて、現在に至ります。そこから、設立10年目の2026年に向かってドラフト制度やサラリーキャップを取り入れて、NBAやプロ野球の仕組みに近づいていると思います。
今まで参考にしていたJリーグの良いところでいうと、U15やU18などの下部組織でつくる「ユース制度」があります。この仕組みはNPBにはなく、クラブの中で育成をしていく方針です。しかし、ユース制度がありながら、ドラフト制度もあるとなると、せっかく手塩をかけて育成した選手を他のクラブに獲得されることになります。その対策があるかは今のところ発表されていませんが、その部分を今後どのように考えていくか、少し時間をかけて検討していく必要があると思います。ただし、クラブとしては育成にも力を入れたいので、どのような形で着地するかはまだ分かりませんが、現行のユースチームなのか、高校と連動をするのか、様々は方法がありますが、ドラフト制度が導入されても、広島らしい育成の形が残る仕組みは続けたいと思っています。広島には野球やサッカーなどトップレベルの競技があり、選手を育成する文化があります。バスケットボールも同じように広島から全国に選手が輩出されるような「育成の広島」を目指したいと思っています。


―今後、選手のスカウト方法に影響は。
現在も、選手の情報収集は常に行っています。クラブチームのユース生や中学生や高校生、どのカテゴリーにおいても良い選手は情報として耳に入ります。幅広く情報は収集して、さらにスカウトできる体制は考えております。現在は、私と岡崎GMで細々と情報収集をしているような形です。

―入場者数の増加に向けて、全席指定席化が裏目に出る可能性もあります。
ある意味チャレンジでもあります。例えば広島ドラゴンフライズ後援会では、3万円で1口入っていただくと、15枚の自由席のチケットを特典にしていました。このような、企業版ファンクラブのような後援会を何年も行なっています。昨シーズン、一昨シーズンを見ていると、いつでも観戦できる2階の自由席のチケットを2年間で1万枚程度配っていますが、実際に来場されるのは30%程度です。「いつでも来場できる」というのは、心理学的にも「いつでもいい」と考えてしまって、お客様の足が止まっている印象です。しかし、我々クラブ側としては、この自由席チケットのお客様が来場されるかもしれないという理由で、他の企画の手が打てない状況が多々ありました。そのような事を考えずに、手を打ち続けられるように全席指定席化を行います。指定席であれば、手は打ち続けられると思っています。来るか来ないか分からないことはないと思っています。指定席のチケットを手元に渡すと80%の方は来場していただいているわけですから。

今シーズンはチケットを買っていただいた際に、席の場所も同封しようと思っています。そうするとクラブの営業マンが「あなたが来るのを分かっていますよ」という証明になると思っています。そうすると、チケットをもらった人は「行かないと、自分が行かなかったことが分かってしまうな」ということがより分かるので、来場率が上がると思います。こうした色々な工夫をして、指定席を売っていきたいと思います。

「来れますか」と言って、「無理です」と言われれば、次の人に営業すればいいと思います。「来れますか」と言って「来れます」という人に渡していく。クラブとしてそれだけの覚悟があるのかということだと思います。それさえできれば、4,000名を入れられる確率が常に残ります。自由席にして待っていると手が打てないので、積極的に足を運んで、手を打つためにも全席指定席を採用しました。
極端な話ですが、試合当日に広島サンプラザホールからアルパークに行って、そこにいるお客様に「試合に来ませんか?」という話も、指定席ならできると思っています。
そのぐらい気合を入れてなんとか集客するためにも、全席指定席化しました。昨シーズンも一生懸命にやっていましたが、その一生懸命さをより効率よくできるためにも全席指定席の方が良いと思っています。もちろんリスクもあると思いますが、積極的に動いていける形を取ったということです。しっかりと結果を残したいと思っています。